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ナルシズム

 
 
 
「この美しい私が獣のように醜い男にいだかれていると思うと、体の奥から興奮がふつふつと沸き上がってくるのです。」
事実美しい容貌のその女は、そう言いました。
 
それを部屋の隅に居合わせて耳にした醜い女は思いました。
 
「ああ、
私は彼女のように美しさを持ち合わせていないから、
美しいと感じるものを追い求めては心の中に過剰な程に取り込んで、
その美しいものたちと、それを閉じ込めるこの醜い姿との落差に快楽を感じているのだわ。」
 
醜い女は、こうも思ったのです。
「私は己の醜さを卑下しながらそれに執着している。
美しいものに憧れながらもそうはなれない事に言い訳をし、
同時に美しさに近付く事を拒絶する事に喜びを感じている!」
 
醜い女の、雁字がらめになったナルシシズムがそこにありました。
 
美しい女と醜い女、
二人のどちらの心にも快楽に溺れる獣が住んでいるのでした。
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あん

Author:あん
ラマン:変態M女です。
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